九州の発酵力プロフェッショナル対談 第二回【オーガニックビューティーアドバイザーTomoko様】
カテゴリー:
九州の発酵力 プロフェッショナル対談
2017.12.8
【九州の発酵力プロフェッショナル対談 第二回】
九州の発酵力シリーズをはじめ、麻生醤油の商品を愛用いただいているプロフェッショナルと、麻生醤油代表の麻生隆一朗が対談インタビュー。それぞれの視点から「食」へのこだわりや、発酵食品にまつわる質問など、様々なお話をお届けします。
第二回は、オーガニックビューティーアドバイザーとして活躍中のTomoko様。
健康・美容といった視点から、食へのこだわりを伺うことができました。
<目次>
1. 食へのこだわり
2. 音楽×発酵食品
3. 美味しい醤油の使い方
4. あまざけについて
5. 発酵食品との関わり方
6. まとめ
1.食へのこだわり
—早速ですが、Tomokoさんのソウルフードは何でしょうか
Tomoko様 ぱっと思い浮かぶのは、「いりこ出汁のお味噌汁」ですね。小さい頃に母が作ってくれたんですけど、いりこがいっぱい入ったままだったから、すごく嫌だった(笑)でも、大人になると食べたくなるんですよね。やっぱり味を覚えているんだなと思います。
—いつごろからお料理や食にこだわり始めたのでしょうか
Tomoko様 美容のお仕事をしているので、メイクをする時お肌を気にされるお客様とビタミンが必要だとかお話しする中で、ある程度は気にしていました。でも、子どもができてから、強く自然食的なものになりましたね。子どもにアトピーがあったので、特にそれからは慎重にものを選ぶようになりました。
—お子さんが生まれてから、今現在、ご家族に食事を作る時に気を付けていることやこだわっていることは何でしょうか
Tomoko様 調味料はやっぱり良いものを。料理はシンプルで、その時期に採れるものや、新鮮なものを食べられるようにというのが一番です。
—無添加や地産地消という面でいうと、麻生醤油の商品は九州産で完全無添加ですが、商品についての感想などはありますか
Tomoko様 もちろん私も美味しいと思って使ってるんですが、特に子どもが好きなんです。お味噌汁も、麻生さんのお味噌でつくると子どもがすごく喜びます。お味噌は甘さも丁度良くて。うちは基本的にお料理にお砂糖を使わず、みりんもたまにしか使わないので、お味噌の甘さが引き立って活用できます。ドレッシングに使うときも、上手く甘味が出てお野菜とすごく合うのでとても使いやすいです。自分でもお味噌を作るんですけど、全然違うので(笑)だから、自家製味噌とちょっと混ぜて使ったりもします。お醤油も、ちょっとかけて何か食べるときに、麻生さんのお醤油だと素材の味が引き立ってより美味しく感じます。
2.音楽×発酵食品
Tomoko様 九州の発酵力伝承ツアーでお料理教室をさせて頂きましたが、今度は音楽と発酵力のイベントをやりませんか?お客さんとして行きたいです(笑)
麻生 そうですね(笑)お酒は結構、ジャズとかDJとか呼んでイベントを開催しています。でも酔って楽しんで終わりじゃ勿体無いんですよね。だから、良い組み合わせができればやりたいです。特に、ジャズとかクラシックになると年齢層が比較的高いじゃないですか。その世代ってやっぱり食に興味がある方が多いので、この音楽に合う料理はこれ!って提案できると良いですね。
Tomoko様 いいですね、楽しそう!やっぱり聴覚と味覚と嗅覚と…って五感にすごい刺激になりますよ。
麻生 基本的に音楽の正体って、波というか周波数というかそういうものなんですね。そういった科学的な側面でも舌の嗜好と合う気はします。例えば、美味しい料理に音楽という音を入れることで、もっと美味しくなるとか。環境によって変わることはやっぱりあると思います。だから、そういうのがもっと突き詰められるともっともっと面白いかな、と思ったり。料理に加えて、お酒も良い蔵元さんと協力して。やるのであればそこまで突き詰めてやりたいなと思いますね。絶対そういうイベントってお客さんが集まると思うんです。
3.美味しい醤油の使い方
Tomoko様 お醤油を使う時、塩を足して薄口醤油みたいにしたり、生で使うことも多いんですが、麻生さん的にはどうやって食べるのが一番美味しいですか?
麻生 たくさんアレンジ方法があるので、よくそういう質問をされます。なかでも「一番使いやすいもの(料理)はなんですか?」ってよく聞かれるんですが、弊社の醤油はやっぱりコクがあって濃厚なんです。旨味も結構高いので、僕が毎回おすすめするのは、炊き込みご飯ですね。
Tomoko様 なるほど。
麻生 あとは、素材を活かす力もありますので、お肉とか。豚肉や鶏肉以外にも、獣臭を取ることもできるのでジビエとかも良いなと思います。醤油って消臭効果があるので、ジビエとかは弊社の醤油を使って調理してもらうと、臭みをちょっと抑えて食べてもらうことができるんじゃないかなと思いますね。
Tomoko様 ジビエとかも味付けはお醤油だけ?お醤油に漬け込んておくとか。
麻生 漬け込みもいいと思います。醤油だけじゃなくてみりんとかも入れられて。消臭効果が高いのでそういう食べ方ができるのは良いんじゃいかなと思いますね。五源醤油はインパクトがあるので、素材もインパクトのあるものを使われるともっともっと美味しいし食べやすくなるんじゃないかなと思います。
4.あまざけについて
Tomoko様 麻生さんの甘酒は一年間の生産量が決まってるって聞きました。
麻生 そうなんです。実は、大量につくる方法はいっぱいあります。でも、今の濃厚さと美味しさを持続させるのであれば、生産量は決まってきます。例えば、瓶タイプの甘酒をそのまま置いていると沈殿していくじゃないですか。その状態を見て、どのくらい加水しているのかが分かります。大手さんだと、大体2/3ぐらいは水なんですね。だからその分沢山作れます。弊社は濃縮タイプなので、当たり前ですけど沈殿はしません。ということは、その分作れる量が決まってくるんです。
Tomoko様 濃縮タイプだからアイスクリームにも使えるし、調味料として使うときも自分で調節できるので使いやすくて、私は麻生さんの甘酒、すごく良いと思います。アイスは特に。
麻生 ありがとうございます。濃厚なのでアイスとかにも合いますし、美味しさや旨味という部分においては、物足りなさは無いのかなと思います。
Tomoko様 お砂糖とかは使わないで、発酵だけであれだけの甘味が出るわけですよね。
麻生 あの甘さは、お米の甘味なんです。うるち米ともち米、玄米も少し入っていますが、どのお米も旨味が一番出る状態のものを使っています。
Tomoko様 水で薄めてるのになんで腐らないんですか?
麻生 あれは熱殺菌をすることで微生物が死んじゃうんです。だから、常温においても発酵することも無ければ腐ったりすることも無いんですね。
Tomoko様 麻生さんのところは熱殺菌はしてるんですか?
麻生 してます。ただ、熱殺菌には高温殺菌と低温殺菌があって、高温殺菌は80°以上で殺菌しますが、弊社はできるだけ有用な微生物を残すために、低温殺菌で60°〜65°で時間をかけて殺菌をしています。あと、袋タイプは甘酒自体に火入れをしなくても、袋にした状態で80°以上のお湯につけることで微生物の活動を抑え、発酵しないようにしています。ただ、甘酒は何千個に1個の割合で膨らんじゃいますね。大手さんでもそういうことはあるので、それだけ甘酒って発酵力の強いものなんです。
Tomoko様 甘味もあれだけ強いと、元気がいいですよね。
麻生 つくるのも簡単なので、ご家庭でチャレンジしてもらうのも良いのかなと思います。ただ、冷蔵庫に必ず入れておかないと、ご家庭では殺菌ができないので腐る可能性があります。過去に食中毒になった事例もありますので、味噌に比べると甘酒は危険度が高いです。
Tomoko様 お味噌にはやっぱり塩があるからですか?
麻生 そうですね。味噌の場合、塩分が12〜13%になるので、もし菌が混入しても生きられないんです。甘酒は基本的に食塩を入れないので、微生物が入るとバッと増殖しちゃいます。簡単に作れる分、衛生面においては気をつけていただいた方がいいです。冷蔵庫に入れておけば基本は大丈夫ですけど、それでも早めに使い切った方がいいですね。
5.発酵食品との関わり方
—Tomokoさんはオーガニックビューティーアドバイザーとしてお仕事をされていますが、これからの生活の中で発酵食品というものとどう関わっていきたいですか
Tomoko様 発酵って、当たり前のものだと思うんです。オーガニックもそうですけど、TVなどで取り上げられるので特別なことのように思うけど、戦前は普通にオーガニックだったじゃないですか。頑張らないといけないもの・特別なものではなくて、自然に自分の生活の中にあるものとして、私は捉えていくようにしています。流行りでとかではなく、食事や美容の中に自然にあるものというスタンスで、特別なことじゃないよって思っています。
6.まとめ
麻生 弊社では九州産原料・完全無添加で作っていますが、僕らは食品添加物を否定するわけではないです。日本では高度経済成長期から人間の豊かさの中から生まれた産物だと思いますし、ああいうものがあったことで人間社会の成長があったということは気に留めておかないといけないと思います。科学の力によって昔だったら腐るようなものでも、食べられるようになっている利便性もある。これからは、手に入りやすくなった地域の産物を使って、より美味しいものを食べることを考えると良いかもしれません。各自がどういう食生活をするのかを考え、基礎調味料を選んでいただく中の一つとして弊社の味噌・醤油・甘酒があり、ご家庭で食べていただければいいんじゃないかなと思います。蔵元がそういう考えを持ってるんだっていうことを消費者の方が知っていただけると、また普段使ってる味噌・醤油の味がちょっと美味しくなるかもしれないんで(笑)
Tomoko様 昔に戻ればいいわけじゃ無いですもんね。
麻生 大豆一つをとっても、100年前のものを再現するのは不可能です。地球温暖化で、気候や寒暖も違ってきている。それは地球のサイクルなので、時代によって少しずつ変わることを享受しながらやっていかないといけないですよね。良いものを取捨選択できるという力も消費者の方は必要なんじゃないかなとは思います。
Tomoko様 こだわり過ぎて疲れちゃってる人もいるから、それよりは美味しいとか楽しいとか幸せの為に選んだ方がいいじゃないですか。それがたまたまオーガニックだったりそうじゃなかったりするだけで。うちもオーガニックの商品だけじゃないですし、キレイでいたいからメイクもしたい。そういった時に何を選ぶのか、自分でこれだと思えるものを、罪悪感を感じずに選んでいくのが大事だろうなって思います。心の栄養みたいなものだなって。
—本日はお忙しい中、ありがとうございました。
【Tomoko様プロフィール】
オーガニックビューティーアドバイザーTomoko
佐賀県出身。東京・福岡でキャリアを重ね、現在、大分市内でオーガニック&ホリスティックがテーマの美容室「COMMON hair design」を経営。九州の発酵力伝承ツアー第8弾では、九州の発酵力シリーズを使い自身で考案したランチメニューでお料理教室の講師を務める。オーガニック料理教室講師、オーガニックメニュー開発、美容・メイクアップ講師、食学講師、東洋医学勉強会企画など、様々な分野から外側・内側、両面からの「きれい」を実現するため、メイク・食材・料理のアドバイザーとして活躍中。
▼オーガニックビューティーアドバイザーTomoko Facebook ページ
https://www.facebook.com/organicbeautyadviser/
▼COMMON hair design公式HP
http://common-hairdesign.com/
【Tomoko様おすすめアレンジ】
ごま味噌ペーストです。子どもが卵のアレルギーがあるので、マヨネーズが使えないんですね。でも、子どもってこってりなのも好きだし、私達も好きだから、サラダなんかを食べる時に、ごまのペーストとかとお味噌を合わせて亜麻仁油とかビネガーとかを少し入れたりしてつくります。自分の味噌でつくると辛すぎるんですけど、麻生さんのお味噌でつくるとすごくマヨネーズっぽくなっておいしいです。